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一夜明け、朝Aの元へ向かう。
昨日のこと、謝っておかないとなぁ〜と思いながら、教室のドアを開けると、窓際で読書をしているAの姿が目に飛び込んできた。
「あ、大介くん、おはようっ」
佐久間「………っ!!」
……目を奪われた。
そよ風で靡くカーテンを背に、朝の光に照らされて微笑むAの姿が、あまりに美しく華麗で、思わず息を呑んだ。
あれ、、、。なんだ、これ??
読書をしているAの姿を見るのは初めてではない。
なのに、なぜ、こんなにも目を奪われるのだろう。
心臓の鼓動が早くなる。ドクドク波打っている。向こうまで聞こえてそうだ。
俺は、まるで時が止まったかのように、見惚れて動けなくなった。
あれ?Aってこんなに綺麗、だったっけ。
いや、ずっと綺麗だな可愛いなとは思っていたけれど、こんなに、こんなに"美しい"Aを今まで俺は見たことがあっただろうか。
"もっと素直になんなよ"
昨日の阿部ちゃんの言葉が急に脳内に流れ込んできた。
素直に、、、俺は何に対して素直になれていないのだろう。
そんな、息を呑むほど美しい姿をぼーっと見つめ呆けていると、
「……大介くん?どうかした?」
佐久間「………へ?あ、いや、」
「ふふっ、どうしたの。あ、もしかして二日酔い?」
佐久間「あっ、そ、そうかも。はははっ」
「大丈夫?お水飲む?」
佐久間「だっ大丈夫、あんがと」
あれ、俺いままでAとどう接してたっけ。
なんだかこっ恥ずかしくて、動揺を隠しきれない。
「??ほんとに大丈夫?今日休む?」
佐久間「だ、大丈夫!ほんと!!もうピンピン元気だから!!」
「………ならいいんだけど。無理はしないでね」
佐久間「………うん」
なんだか今、胸があたたかくなった。嬉しい。そう感じた気がする。
あれ?俺、どうした?
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作者名:ねこ | 作成日時:2024年3月28日 14時